みなさん、「和牛の輸出先、第1位の国は?」と聞かれたら答えられるでしょうか。
意外に思われるかもしれませんが、実は日本が最も和牛を輸出している国はカンボジアです。
それはなぜなのか、その要因や今後我々の食肉事情にどのように関わりがあるのか、焼肉屋歴15年、元店長の焼肉プランナーがお答えしていきます。
こんなあなたにピッタリの記事です!
- 中国人が和牛を求めて日本に来る理由が知りたい
- 中国への和牛輸出の禁止から解禁までの流れを把握したい
- 中国の輸入解禁が日本に与える影響が気になる
では本題に行きましょう。
日本が中国へ和牛を輸出できない理由

2019年、中国は日本産牛肉の輸入を解禁することに合意したものの、今現在に至るまで協定を発行せず、その話は停滞している状況。
そもそも、なぜ輸入を禁止しているのか。
皆さんは、2001年に日本でBSE(牛海綿状脳症)が発生したことを覚えているでしょうか。
牛の脳がスポンジ状になり凶暴化し、いずれ体重減少を経て死に至る、牛に発症する病気です。
恐ろしい印象を持っているとは思いますが、ヒトへの感染は国内では確認されていないながらも、世界的に大きなニュースとなったため、過剰に規制が行われた大きな事件でした。
その影響もあり、2001年から中国は日本産牛肉(和牛に限らない)の輸入を停止。
BSE事件以降は、日本は独自に牛肉トレーサビリティ(マイナンバー制度みたいなもの)が義務付けられ、牛肉の管理体制は強化。徐々に各国への輸出は解禁されて行き、回復の一途を辿ることが出来ましたが、現在でも中国への輸出は禁止されており、大きなマーケットへの進出ができていない状況が24年も続いています。
しかしながら近年、中国では牛肉の消費量が増しており、日本もそこに手を挙げていくことができれば、経済成長のチャンスを掴むことが出来ます。
では、その可能性はあるのか、次に述べて行きます。
中国市場の牛肉需要は増している一方

和牛の柔らかさや旨味は、世界でも唯一と言って良いほど高品質です。
トレサビはBSEの予防のために導入されましたが、逆に産地や血統などが厳正に管理できるようになったことで、各地域の和牛もブランド化できる流れが勢いを増しました。
その競い合いもあり、今や和牛は「WAGYU」と評される世界的ブランドへと成長。
対して、中国は元々豚肉の文化でしたが、経済成長と生活水準の向上から、高度経済成長期の日本のように、牛肉の消費が増加しています。
特に都市部の富裕層から高級和牛の需要が高まっており、牛肉の輸入量も年々増加傾向。
オーストラリアやアメリカ産の牛肉が店頭で多く見られますが、より良い牛肉を求めるようになった結果、世界最高のブランド和牛を食べるには、日本へ観光に行くしかない状況になります。
そこで、冒頭で触れたカンボジアに焦点が当たって行きます。
中国では、グレーな方法で和牛が提供されている

日本から牛肉の輸入が禁止されている中でも、中国が和牛を仕入れる方法は2つあると言われています。
1つは、オーストラリア産の和牛を仕入れる方法。
「は?」って思う方もいるかもしれませんが(笑)、和牛というのは日本古来から生息する血筋を持った品種のことを指すため、生きた和牛をオーストラリアが輸入し、オーストラリア内で産んで育てることが出来れば、海外産の和牛が誕生することになります。
この方法で日本以外から和牛を合法的に中国は輸入していますが、やはり育て方や気候の違いから、少し品質は落ちるため、2つ目の方法で仕入れた和牛こそが一級品とされています。
その2つ目の方法がカンボジアを経由する方法。
日本がカンボジアに和牛を輸出し、カンボジアが中国へ再輸出(または何ヶ国か経由)することで、日本で育った本物の和牛を中国は手に入れています。
そのためにカンボジアは、日本産牛肉の最大の輸出先となり、その一部を「カンボジア産」と表示することでWAGYUが誕生するという、言わば非公式ルート。
それほど、中国国内では和牛の需要が増していると言えますね。
中国の輸入解禁が日本国内に与える影響

中国国内の需要に応えるべく、中国もついに動きを見せることとなります。
中国は2001年に輸入を禁止し、2019年に輸入解禁を合意するも協定発行には至らない状況ではありましたが、大阪万博に中国の副首相が訪れた際、日本政府との会談によって衛生検疫協定が発効されたと発表。
これによって、日中関係の良化に傾く可能性はありますし、畜産業者の景気が良くなることで、労働者が増えたり、取引先が潤うことも良い点と言えます。
そうなれば、日本の畜産業者が2026年あたりから輸出解禁に向けて動き出すのは間違いありません。
和牛の供給に対して、需要が上がれば、自ずと価格は上がるのは当然のこと。
どれくらい上がるかはまだ予想出来ませんが、国内のインフレ、インバウンドの増加により、ただでさえ値上がりが続く中で、拍車をかけることは確実と言えるでしょう。
少なくとも価格が下がる要因は何一つないため、今の価格で和牛が楽しめるのも、残り少ない期間になるでしょう。
私個人の意見としては、赤身肉の需要が増していることもありますので、美しい霜降りではなく、いっそのこと赤身に寄せたブランド和牛が出てきてもいいのかなとは思いますね。
ちなみに、現在ある和牛の中で、最もそれに近いお肉が「あか牛」です。
全国の和牛の9割が黒毛和牛なのに対し、僅かに出回る褐毛(あかげ)和牛は、黒毛和牛よりも脂が少なく、ヘルシーかつ柔らかい肉質が特徴の希少和牛です。
食べたことのある方は少ないと思いますので、一度あか牛を食べてみて、新たな感覚を味わってみてください。
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中国の和牛輸入解禁 まとめ
それでは、まとめです。
- 現在は、日本への旅行か、海外産和牛、カンボジア経由の輸入によって和牛が食されている
- 2001年から禁止されていた和牛輸入が、2025年に解禁に向けて動き出した
- 日本国内の和牛の価格が上がるのは確実。時期は発表されていない。
以上です。
正式な解禁日程が発表されれば、また更新したいと思います。
最後までお読み頂き、有難う御座いました。





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