飲食店で社員やアルバイトの制服がしっかりと決められているのに対し、靴まで指定されているお店は実は少ない。
規定があるとすれば、大まかな色の指定ぐらいでしょうか。
それにも関わらず、コックシューズは個々のパフォーマンスに大きく影響を与える重要なアイテム。
なぜならキッチンの防水機能や、滑りにくさのメリットに限られるだけでなく、ホールで歩き回る際の疲れにくさや、座敷などでの脱ぎ履きのしやすさなど、飲食店で働く全員にメリットがあるからです。
本記事では、10年以上いろんなコックシューズを履いた焼肉屋店長の私が、ホール向きやキッチン向きなど、現場目線かつ深い視点でオススメを紹介しています。
コックシューズの特徴
名前からして、キッチンや厨房で使う靴ということは想像出来ますが、実際の所どんな特徴を持つ靴なのでしょうか?
いくつかある特徴のうち、絶対的な機能は「防水」ということです。
靴ヒモのひっかかり転倒を防ぐために、ヒモ無し構造であることも一般的ですが、それにプラスアルファで、
・水や油で濡れた床での滑りにくさ
・長時間の労働に対しての疲れにくさ
・キッチンとホールでの行き来での脱ぎ履きのしやすさ
・業務用としての耐久性
・包丁や熱いものの落下から守る剛性
などの違いが、各コックシューズごとに強弱があります。
しかしながら、防水という絶対的機能と通気性は、相反する関係。
靴のインソール(中敷き)に、蒸れにくい工夫がされていたりはしますが、コックシューズの最大のデメリットは通気性が悪いという点にあるとも言えます。
それでも飲食店で働くことを考えるとメリットの方が大きいため、お店に靴の規定がなかったとしても、ローファーやスニーカーよりも疲れにくく、かつ、水濡れを気にせず動けるコックシューズがオススメですね。
それでは、実際に現場で使用した中での、上位4つとオマケの1つを紹介して行きます!
油で塗れた斜面でも滑らない ハイパーV
まずは私が長年愛用してきた、日進ゴムのハイパーV。
滑りにくさ抜群、足元に余計な力が要らずに疲れにくく、高機能なコックシューズです。
それまでは特にメーカーにこだわりはなかったですが、ハイパーVを使って以降は、他のコックシューズを履いても、デメリットがすぐに気になってしまい、職場を変えるまで他には戻れませんでした。
しかし、動きの激しい食べ放題焼肉店にいた自分にとっては、靴底のグリップが効きすぎて、靴底と靴本体の間が剥がれやすい印象がありました。
足に力を入れずにグリップする代わりに、靴自体に負担が掛かっていたんですね。
そのため、激しい動きをする現場でのホールスタッフにとっては、耐久性に懸念があるかもしれませんね。
【メリット】
・グリップ力がとても強い
・力を入れずとも止まるため疲れにくい
【デメリット】
・耐久性
・やや重い
柔らかくて動きやすい アキレス
アキレスは現在、私が使用しているコックシューズ。
なんといっても軽くて柔らかいため、かなり動きやすいです。
今の私の職場は、床が粗いコンクリート面であるため、滑りにくさがそれほど重要ではなく、柔軟なアキレスの方が履き心地が良い感覚。
歩く際にもコツコツとした音もならず、足へのフィット感重視と言えるでしょう。
キッチンスタッフにとっては、重いものや熱いものが落下した際は、やや安全性に欠けますのでご注意ください。
【メリット】
・足にフィットする柔軟性
・滑りにくさも一定で動きやすい
【デメリット】
・素材が薄いため、安全面では弱い
初めてコックシューズ買う人に JCM
仕事が続くかわからなかったり、初期費用をそれほどかけたくないアルバイトさんには、JCM(ジェーシーエム)がオススメです。
とにかくコックシューズ自体の良さを知ることは出来るため、強いこだわりがない以上、利用者も多く、ホールでもキッチンでも一定の活躍を果たしてくれるでしょう。
これまでに紹介した2つよりも、やや滑りに弱いのは事実ですが、
それでも軽く作られており、脱ぎ履きもしやすいため、コックシューズとしてはバランスが良いです。
【メリット】
・軽い
・安い
【デメリット】
・やや滑りやすい
・耐久性低め
耐久性が高いコックシューズ テノシ
テノシのコックシューズは、とにかく長持ちして欲しいという方にオススメです。
布や皮を使用せず、クロックスのような一体型になっているため、各パーツが剥がれたり、劣化したりすることが無いことが最大の特徴。
また、つま先部分が広くなりすぎていないため、クロックス特有のトラブルである、床とつま先が接触して躓くような感覚も少ないため、安全に作業が捗ります。
かかと後部もやや高めに作られているため、サンダル系コックシューズの中では脱げにくい所もポイントですね。
ただし、全体がやや硬めのゴム製でもあるため、踵の疲れはやや感じやすいです。
長時間働く社員の方よりも、アルバイトの雇用期間を一足だけで持ちこたえたいという方に向いているコックシューズであると思います!
【メリット】
・長持ちする
・滑りにくい
・丸洗いできる
【デメリット】
・長時間履くと疲れやすい
デザインと機能性の両立 アシックス
アシックス ウィンジョブは私自身、使ったことがありませんが、気になっているコックシューズです。
以下、ほぼ個人的な余談にはなってしまいますが、私は高校時代にバスケットボールをしておりました。
同じようにバスケをしていた方ならわかって頂けると思いますが、性能で選ぶなら絶対にアシックスという業界の常識がありました。
それほど、走りやすくて、軽くて、滑らない。本当にどのバッシュを買っても良かったことを覚えています。
肝心のウィンジョブの性能ですが、グリップはかなり強いとのことで、縦への動きに加え、横の動きにもしっかりと対応する滑りにくさを工夫した加工が施されています。
さらに足先に硬い芯が入っており、落下物からつま先を守る構造、そしてα-ゲルを使用したクッション性が疲れにくさを軽減し、まさにハイスペックなコックシューズであるはずなのです。
ただし、これまで紹介したコックシューズよりも価格が跳ね上がるため、厨房での仕事を志した方にしかオススメ出来ませんね。
【メリット】
・滑りにくい
・疲れにくい
・安全性が高い
【デメリット】
・高価
・使用者が少ない
コックシューズで仕事がデキる人になろう
いかがでしたでしょうか。
他にも数多くのコックシューズが存在しますが、焼肉に携わって12年の私が、主に使用してきた物を中心に紹介しました。
あなたの作業力が上がり、信頼されるスタッフになれる第一歩を、コックシューズで踏み出しましょう!
焼肉プランナーでした。
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