こんにちは!焼肉プランナーです。
世の中には、多くのお肉屋さんが溢れています。
焼肉屋、ホルモン屋、しゃぶしゃぶ店、ステーキレストラン、肉バル…
その中でも、焼肉屋とホルモン屋の違いは、うまく定義できないのが一般的。
なんとなくホルモン屋の雰囲気がわかる方もいらっしゃると思いますが、厳密に言うと、はっきりとした定義はなく、店主のこだわり次第です。
しかし、焼肉屋とホルモン屋にも、それぞれ傾向や特徴があることも事実ですので、その違いを少しでも言語化できればと思い、記事に致しました。
肉(正肉)とホルモンでは仕入れ先が違う
こちらは、肉ツウであれば有名な話ですね。
食肉にされる牛さんは、屠畜場でと殺、解体された後、卸業者に販売をするわけですが、
畜産物(お肉)と畜産副産物(ホルモン)に分けられ、それぞれ違う企業が購入します。
なぜかというと、昔の日本では、ホルモンはお肉を解体した際の、単なる廃棄材であったため、畜産副産物専門の引き取り業者が存在していたことが起源です。
極端に例えると、肉屋とゴミ回収業者に分かれており、
そしてゴミ回収業者が、それを再利用してマネタイズできないかということで、ホルモンが安価に世に出回ったということ。
そのため、現在に至るまでも業者が二分化され、屠畜場から一旦お肉とホルモンが離れ離れになってしまうため、直接安く、鮮度の高い物を仕入れようというお肉屋さんは、それぞれに仕入れルートが必要になります。
もちろん、第一卸売り業者が、直接焼肉屋とばかり取引をするわけではないので、肉とホルモンそれぞれを集めて在庫を抱える、中間卸売り業者もいます。その場合は、仕入れルートは同じにできますね。
つまり、正肉の仕入れに強いお肉屋さんは、焼肉屋として勝負していきますし、
ホルモンの仕入れに強いお肉屋さんは、ホルモン屋として勝負していきます。
そして、いかにどちらも兼ね備えるかどうかが、勝負の分かれ道ということですね。
焼肉屋とホルモン屋 焼き台が違う
お肉を焼く設備には、大きく2パターン存在します。
①無煙ロースター
と
②七輪orロースター + 換気扇orダクト
まず、①の無煙ロースターというのは、
チェーンの焼肉屋をイメージしてもらえれば、わかると思います。
席に埋め込んであるロースターで、お肉を焼くと煙が席の下に吸い込まれていく構造。
こちらはホルモン屋には、あまり存在しません。
対して、②のロースターとダクトが分かれているタイプでは、
天井に向かって煙が吸い込まれていく方式になり、こちらは個人の焼肉屋や、ホルモン屋がどちらも利用されています。
つまり、ホルモン屋は無煙ロースターを使用していないがため、店内がモクモクになりがちです。
では、なぜホルモン屋が無煙ロースターを使用できないかというと、それは清掃の手間と、火事の危険性にあります。
ホルモンは多くの油分を含むため、焼いた際にいわゆる「ファイヤー」状態になります。
その燃え上がった炎が、清掃の行き届いていない無煙ロースターに吸われてしまうと、ロースター内から排気管まで炎が引火し、一気に店内の床下から火事になってしまう危険性があるためです。
ただでさえ、清掃が大変な構造なのに、それを1日たりとも怠ることは許されないわけです。
なので、上質なホルモンばかりを焼き続けるロースターとダクトには、ある程度の距離が必要なため、ホルモン屋は無煙ロースターを導入しにくいと言えます。
また、無煙ロースターを設置するには、大掛かりな工事と費用が必要なので、ホルモン屋だけでなく、個人の焼肉屋さんも、ロースターとダクトは分離式が多いです。
一旦、まとめると、
- 焼肉屋では、ロースターとダクト一体型または分離式どちらも使用できる。
- ホルモン屋では、ロースターとダクト分離式が使用されることがほとんど。
となりますね。
ロースターの仕組みについては、コチラの記事も参考になります。
焼肉屋とホルモン屋 メニューの違い
メニュー構成においても、焼肉屋とホルモン屋、それぞれに傾向があります。
焼肉屋では、メニュー表を広げると、タンやカルビ、ロースなどの正肉を中心としたメニューから始まり、焼肉メニュー後半の欄にホルモンが記載されていることが多いです。
また、チョレギサラダやクッパ、ビビンバ、スープ、冷麺などと、韓国料理を中心とした幅広いラインナップを取り揃えている特徴があります。
対してホルモン屋では、最近でこそ数多くの正肉も取り揃えていますが、まず最初にホルモン系のメニューから並ぶ傾向にあります。
そして、サイドメニューは韓国料理の影響をあまり受けておらず、お店によっては、もつ鍋や、スジ煮込みなど、和食の要素が強い料理を取り揃えることがあります。
この理由としては、日本独自の文化で、先に根付いたのがホルモン屋と言われており、それを進化させていったのが在日韓国人であったため、韓国イズムを大きく受けて行った最たるものが焼肉屋であり、あまり影響を受けずに形を変えなかったのが、日本イズムのホルモン屋と言えるためです。
ですが、どちらも日本発祥であり、どちらも在日韓国人が発祥だとも言われ、ルーツにおいてはあくまでも一説と認識しておきましょう。
ちなみに、チョレギサラダの定義も解説した記事があります。よろしければご覧下さい。
焼肉屋とホルモン屋 ハラミが美味しいのはホルモン屋
意外とみなさんご存知ない方もいらっしゃると思いますが、ハラミは正肉ではなくホルモンに分類されます。更に言うと、タンもホルモンです。
そのため、先に述べた解体後の引き取り先が、畜産副産物の業者になり、カルビやロースとは仕入れルートが変わってしまい、意外にも和牛や国産牛を中心に扱う個人店であっても、ハラミだけは海外産のものを使っている所も多く、和牛ハラミは入手しづらい部位の代表格です。
逆に、ホルモン屋は、優良なホルモンの仕入れルートを持っているからこそホルモン屋なわけで、ハラミはもちろん同様に同じ業者へ発注できるため、輸入ハラミを扱うことは二度手間でもあり、あまり見受けられません。
ホルモン屋に行った際は、是非ともハラミ、また類似部位であるサガリは注文してみてほしいですね!
よくわからなくなる、ホルモンとてっちゃんの違いは、以下の記事もご参考に!
焼肉屋とホルモン屋の違い まとめ
厳密に定義はされておりませんが、以下の傾向にあります。
- 正肉とホルモンでは、仕入れ先が異なることが多い。
- ホルモン屋は無煙ロースター導入が困難。焼肉屋はロースターの自由度が高い。
- 焼肉屋は韓国イズムが強く、ホルモン屋は和食イズムが残る。
以上です。
最後までご覧頂き、有難う御座いました。焼肉プランナーでした!
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