【地鶏とは?】若鶏と銘柄鶏の違い、2種類の親鳥まで徹底解説

お肉の知識

こんにちは!お肉に携わって13年の焼肉プランナーです。

スーパーや飲食店で見かける鶏肉にも多くの種類があり、「地鶏」「若鶏」「親鳥」といったものが並ぶ中で、何が違うのが疑問に思ったことはありませんか?

本記事では、地鶏と若鶏、そして銘柄鶏の違いから、あまり知られていない2種類の親鳥についても徹底的に解説。

鶏肉全ての立ち位置を明確にし、お買い物や料理に使える知識を習得して行きましょう!

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地鶏とは? 地鶏に若鶏はいない

地鶏とは明治時代までに日本に在来していた38種類の品種の血筋を持つ鶏のことを指します。

地元や、その地域で肥育する独自の鶏…と思われたり、地面飼い(平飼い)している鶏…と誤解されがちですが、どちらも地鶏という定義としては不十分。

正確には、以下4つの基準をクリアしていることが「地鶏」と表記できる条件です。

1.素びな(ひよこ)
 在来種由来の血液が50%以上のもの。
※在来種とは、烏骨鶏(うこっけい)やコーチン、軍鶏(しゃも)などの全38種。

2.飼育期間
 ふ化日から75日以上

3.飼育方法
 平飼い

4.飼育密度
 10羽/㎡以下

上記を満たした鶏が「地鶏」となるため、地面飼い(平飼い)をしているだけでは不十分であり、また地元がどこであろうと、どこで育てようと、血統と育て方を満たしていれば地鶏なのですね。

肉質は、適度な弾力があり、実は普段食べている若鶏の方が柔らかかったりもします。ただ、若鶏が淡白な味であるのに対し、地鶏は肉の旨味が強く、香り高いのが最大の特徴。

そのため、若鶏は基本的に調理が必要なのに対し、地鶏は刺身やタタキにしても美味しく召し上がれるんですね。

38種類の在来種とありますが、それらを掛け合わせて生まれている地鶏もいるため、日本全国に60種類以上の地鶏が存在しており、中でも有名な、比内地鶏、名古屋コーチン、さつま地鶏は、日本三大地鶏とも呼ばれています。

基本的には食用肉ですが、地鶏の種類によっては、採卵(玉子の生産)を兼任できる種類も存在します。

次に、銘柄鶏を説明したいところですが、その前に若鶏についての情報を整理してからにしましょう!

若鶏とは食肉専用種(ブロイラー)

若鶏とは、食肉専用に開発された「食専用」の鶏であり、決して若い鶏を全て若鶏というわけではありません。

そのため、たとえ地鶏が若くても、若鶏ではないということ。

別名「ブロイラー」と呼ばれたりもしますが(採卵専用の鶏はレイヤー)、若鶏はヒヨコが生まれてから約50日程で約3kgまで急速に育ち、親になるまで生きていることが出来ないため、全て食肉用として出荷されています。

肉質は、地鶏に比べて柔らかいですが、肉の味は薄く、ほとんどが脂の旨味であるため、濃い味付けであったり、調理をしてこそ美味しく食べられます。

また、上記の若鶏のことを「ブロイラー種」という種類の鶏と思われていることもありますが、ブロイラーは鶏の種を指すのではなく、単に「食用肉」というカテゴリのことです。

種類として言うのであれば、白色コーニッシュ種と白色ロック種の「交雑種」となります。

※その他のパターンの交雑種もあります。

それでは次に、地鶏と混同される銘柄鶏について解説いたします。

銘柄鶏とは、ブロイラーの一種

銘柄鶏とは、地鶏と似たような立ち位置にありそうですが、結論から言うと若鶏(ブロイラー)です。

しかしながら、その若鶏の中でも、指定した血統であったり、独自の飼育方法(エサのこだわりや飼育期間)を定め、ブランド化したものを銘柄鶏としています。

通常の若鶏は、生産性重視の短い飼育期間であるため、味に特徴が出てくる前に出荷されてしまいますが、銘柄鶏の場合は、味に特徴を出すために、約2週間ほど通常の若鶏より長めに飼育するのが通例。

そのため、同じ「若鶏」とは言っても、生産コストがかかり高価にはなりますが、地鶏ほど高級ではないため、近年人気が高まっている若鶏なんですね。

代表的なものには、

日向鶏(宮崎)、伊勢赤どり(三重)、紀州うめどり(和歌山)、大山どり(鳥取)、錦爽鶏きんそうどり・愛知)などが挙げられます。

ここまでをまとめると、

 地鶏 > 銘柄鶏 ≧ 若鶏 】 の序列で、高価であるということがわかりましたね。

では最後に、意外と知られていない親鳥の事情について解説します。

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親鳥(親鶏)とは? 大きく分けて2種類

親鳥の定義としては、卵を産んだ鶏の全てを指します。

つまり、地鶏も若鶏も銘柄鶏も、親鳥になる可能性はあるということ。

しかしながら、上記の3種類は大人になる前にと殺されるため、実質のところ親になることはありません。

じゃあ誰が産んでんねん!」

と疑問を抱くと思いますが(笑)、地鶏も若鶏も銘柄鶏も、それらを産む用に育てられた「種鶏(しゅけい)」という特殊な親鶏が存在します。

対して、市場に出回る親鳥のほとんどは、種鶏ではなく「廃鶏(はいけい)」という種類の親鳥。

廃鶏は、生産性が落ちてきた採卵用鶏(レイヤー)を、食肉用として出荷したもので、こちらが一般的な親鳥となります。

種鶏も廃鶏も、どちらも最初から食肉用として育てられているわけではなく、肉質は非常に硬いため、出汁やガラスープ、レトルト食品の鶏肉として利用されていますが、実質はほとんどがレイヤーの廃鶏ということを知っておきましょう。

ちなみに種鶏は、廃鶏よりも肉質は若干柔らかいそう。非常に数が少ないため、もしお店で見かけた際には、ぜひ一度食べてみたいですね。

地鶏とは? まとめ

それでは、まとめです。

地鶏とは、

  • 明治時代から在来している品種の鶏で、厳格な飼育基準をクリアしているもの
  • 適度な歯ごたえがあり、肉の旨味が強い
  • 地鶏と若鶏は別物。地鶏の若鶏などは存在しない

以上です。今後、あなたが鶏肉を選ぶ際の参考になると幸いです!

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焼肉屋 店長歴12年のブロガー。
仕事と趣味で回った100店舗以上の焼肉屋での経験、体験を元に、
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【資格】
ワープロ検定2級/情報処理検定3級/
ファイナンシャルプランナー3級/
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