こんにちは、肉切り歴12年の焼肉プランナーです。
洋包丁の一つである筋引き包丁は、家庭では普及しにくいものの、ブロック肉などを切る職人やプロの方にとっては、メインで使用する欠かせない包丁であると思います。
そんな筋引き包丁に魅了され、切れ味の良い包丁、寿命が長い包丁を求めるのは当然ながら、カッコいい包丁や、高級でエレガントな包丁など、もはや本来の意図を忘れさり、自己満足の世界に浸るのも悪くないなと思っていませんか?
私もその一人です。笑
しかし、インターネットなどで筋引き包丁を検索しても、広告リンクやスポンサーサイトなどの影響で、網羅的に高級な筋引き包丁を比較して見ることが難しいため、本記事にて各メーカーの、各ブランド、その中でもハイエンドモデルだけをまとめて、ご紹介しております。
こんなあなたに、楽しんで頂ける記事です。
- 他人とは違う、こだわりの筋引き包丁を探している
- 有名な包丁メーカーの最高峰の筋引きを知りたい
- 毎日の肉切りのために、最強の切れ味を求めている
ちなみに、何十万もするような一点ものの筋引き包丁などは除外しており、あくまでも有名なメーカー、かつ出来る限り筋引き包丁の基本である24cm程度に絞ってピックアップしています。
【青木刃物】堺孝行 グランドシェフSP TypeⅡ
まずは堺孝行シリーズでお馴染み、青木刃物から。
日本三大刃物産地である大阪府堺市にある伝統的メーカーで、製品の豊富さ、歴史、デザイン、機能性など、どれをとっても自分好みの包丁が見つかる名門中の名門。
数ある堺孝行シリーズの中でも、グランドシェフという最高峰ブランドの内、中でも最も高価なのがグランドシェフSP TypeⅡです。
特殊鋼メーカーとして世界に名を轟かす、ボーラーウッデホルム社製の特殊鋼を刃の部分に使用しており、錆びにくく鋭い切れ味を実現。正に洋包丁のファーストクラスに位置し、名の知れたブランド「グランドシェフ」が故に、使用するからにはそれ相応の実力を期待されてしまいます。
私は恐れ多いですが、自信のある方には、権威性抜群の筋引き包丁と言えるでしょう。
【一文字厨機】堺一文字光秀 FV10
続いても、大阪府堺市から。
堺孝行と同様に、知名度の高い包丁が「堺一文字光秀」です。
Gラインシリーズなどは見たことがある方も多いと思いますが、更に上のハイエンドモデルに位置するのがFV10です。
ステンレス包丁はどうしても鋼の包丁と比べると切れ味が劣り、永切れしないと言われ、錆びずにかつ永切れする包丁を作るために職人は日々努力をしており、その長年の課題を克服した一本。
堺一文字光秀 公式サイト
また、一見シンプルなデザインにも見えますが、ワンポイントでゴールドに仕上げられた口金が、包丁全体を上品にまとめており、ディーゼルよりもポールスミス派の方には好みのデザインではないでしょうか。笑
【ミソノ】MISONO UX10
こちらも日本三大刃物産地の一つ、岐阜県関市に社を置くミソノから。
今回ご紹介する内、唯一私が実際に使用しているのがMISONO UX10です。
EU製の高純度ピュアステンレス特殊鋼を使用し、ミソノの古い伝統と新しい技術の複合から生まれたステンレス鋼包丁の最高峰。ハガネ包丁なみの鋭い切れ味と研ぎやすさ。
ミソノ公式サイト
とご紹介されておりますが、本当に切れ味も研ぎやすさも良く、ステンレスであるため錆びません。
厳密にはステンレスは「錆びにくい」と表現するべきですが、かなり杜撰に扱わない限り、普通は錆びませんのでご安心を。
使用感は、もはや「錆びない鋼包丁」という感覚で使えると思いますが、鋼包丁以上の切れ味なのかと言われると、それ以上でもそれ以下でもないです。普通の鋼包丁であればUX10に軍配が上がるとは思いますが、以前に使用していた包丁が「正広別作」という優秀な鋼包丁であったため、個人的にその差を感じにくかったのかもしれません。
デザインはシンプルですが、口金が斜めにシャープに仕上がっているあたりが私はお気に入りです。
ただし、包丁立てに入れると、もちろん真っすぐ立ちませんので、みんなの邪魔にならないよう必ず端っこに入れるようにしましょう…。
下記リンク先には、実際に使用してきたものを紹介しているため、UX10の詳しい使用感も記載しております。
【マサヒロ】正広作MV-S
こちらも岐阜県関市のメーカー、マサヒロ。
正広作、正広別作と言えば、業界のみなさん一度は見たこと、聞いたことがある程、使用者の多さと知名度の高さを誇ります。
そのマサヒロ社の最上位モデルとなるのが、正広MV-Sです。
マサヒロらしいデザインですが、その佇まいは、まさに「能ある鷹は爪を隠す」と表現するに相応しいですね。
公式サイトでも
私たちが作る包丁は、流行のデザインを追求したものではありません。それよりも永遠の定番であって欲しい。一過性のブームではなく、本当に価値あるものづくりをしていく。それこそが、私たちが目指す包丁メーカーのあるべき姿であり、今後も会社を存続させていく意義だと痛感したのです。この時の想いは今も変わりませんし、むしろより強くなっています。
マサヒロ公式サイト
と語られており、そんな職人の方々の仕上げた最高峰シリーズというのならば、自ずと期待は膨らむもの。
ステンレス包丁では高性能と言われるモリブデン・バナジウム鋼を使用しているため、切れ味と持続性には文句なしであると思いますが、かなり硬い素材であるため、研ぐ技術に自信がない方には、扱いの難しい包丁になるのではないでしょうか。
【ツヴィリング】雅 5000FC-D
岐阜県関市からは、3社目で最後となります。
実は、ツヴィリング・J.A.・ヘンケルス社はドイツのメーカーですが、日本市場で販売している9割は岐阜県関市の工場で生産されており、その中でも「雅-MIYABI-」は、岐阜県関市のナイフメーカーを子会社して立ち上げた日本のブランドです。
また、ヘンケルスもツヴィリングも知名度はありますが、同じ会社の別ブランドで、
ヘンケルスは主に家庭用として、リーズナブルな価格で販売されており、更にグレードの高いブランドがツヴィリングです。
そして、その最上位ブランドが「雅」となるわけですが、海外でも切れ味が素晴らしいことで人気を博しているそう。
取れる金属の種類や、加工技術が豊富なヨーロッパと、刀や包丁を作る高い技術を持つ日本が協力して作り上げた、世界から注目される雅は、十分に検討の余地ある一本ですね。
また、雅5000FC-Dの更に上位グレードで、雅5000MCD67というモデルがありますが、こちらは大手通販サイトで取り扱いがなかったため今回は除外しました。
気になる方は、以下公式サイトからご覧ください。
MIYABI 5000 MCD 67 筋引包丁 | ツヴィリング公式オンラインショップ (zwilling.com)
【片岡製作所】TAMAHAGANE 粲 響十(サン・キョウト)
三大包丁産地、最後の一つが、新潟県燕市。
燕市の片岡製作所は、家庭用包丁よりも業務用を主として製造しているメーカーです。
17層~33層程度のダマスカス鋼が一般的な中、63層ともなる細かい加工を施されており、他のダマスカス包丁よりも細かい模様が特徴的で美しく見えますね。
錆びにくく、長切れし、硬くて丈夫なダマスカス包丁の中でも、目を見張るデザインですが、「TAMAHAGANE 粲 響十」のレビューが少なく、使用感は想像が出来かねるのが残念な所。
逆に、使用者が少ないとも言えますので、我が道を切り開きたいという方には、今回ご紹介した中でも、最も使い甲斐がある一本ではないでしょうか。
【藤次郎】TOJIRO PRO ニッケルダマスカス鋼鍛造
ステンレス包丁と言えば、藤次郎。こちらも新潟県燕市のメーカーです。
衛生的で扱いやすいステンレス一体型の包丁が人気で、フラッグシップモデルのTOJIRO PROシリーズの中でも、更に上位のモデルがニッケルダマスカス鋼鍛造です。
オールステンレス特有の美しさの中に、ダマスカス模様が浮かぶ本格派の包丁は非常に珍しいですね。
オンラインショップでは牛刀や三徳は見つかるものの、現状、筋引きの在庫が無いようで製造数が少ないものと考えられます。
公式サイトでは購入できますので、以下リンク先からご覧ください。
藤次郎オンラインショップ / TOJIRO PRO ニッケルダマスカス鋼鍛造 筋引 240mm
【ホンマ化学】グレステン Tタイプ
あまり聞きなじみのないメーカーかもしれませんが、「グレステン」と言えば有名な包丁です。
グレステンシリーズの特徴とも言える、その無骨なデザインからは想像を超える、鋭い切れ味を実現します。
家庭用、業務用でも使用者が多く、食材の刃離れの良さ故、他の包丁に戻れないというレビューも見られるほどで、その最高位に位置するのがTタイプです。
日本刀並の硬度とのことで、あまりに硬いと研げないという不安も抱きますが、Tタイプは刃が薄めに仕上げられており、研ぎ直しも難しくないとのこと。
また、グレステンは永久保証制度があるため、切れない研げないという最悪の状態に陥っても、無料で研ぎなおしてくれるということで、完全に非の打ち所が無い包丁になっています。
どこからともなくやってきた、何者かもわからない包丁が革命を起こし、今や航空機のブレーキ開発まで行っているのですから、枠に収まらない存在、それがホンマ化学工業のグレステンシリーズの本質です。
【杉本】SHM炭素鋼製品
和包丁では圧倒的知名度を誇る名門、東京築地の杉本。
その杉本の数少ない洋包丁の中で、最高峰モデルとなるのがSHM炭素鋼製品です。
それが包丁の名前なのか何なのかはわかりませんが、もはや名も無き名刀とも捉えられますね。
職人の手作りにより、仕上げまで砥石で手研ぎされており、鋼製のために錆びるデメリットを併せ持ちます。
しかしながら、自分で包丁を研げる方にとっては、今回紹介した筋引き包丁の中でも、最高の切れ味を発揮してくれるのではないでしょうか。
こちらもオンラインショップでは扱いがないため、購入をご検討の方は、以下の公式サイトからご覧頂ければと思います。
筋引 | 商品一覧|杉本刃物 (sugimoto-hamono.com)
筋引き包丁 各ブランド 総まとめ
それでは、まとめです。
【青木刃物】堺孝行グランドシェフSP TypeⅡ
:名の知れたブランド故、権威性が抜群。
【一文字厨機】堺一文字光秀 FV10
:シンプルながらも上品なデザインであるため、技術は一目で伝わる。
【ミソノ】MISONO UX10
:私が愛用!鋼レベルの切れ味かつ、錆びにくい。調理とカットを繰り返す作業に強い。
【マサヒロ】正広作MV-S
:使用者の多いマサヒロの中では稀有な一本。硬い素材のため砥石も硬いのを。
【ツヴィリング】雅 5000FC-D
:海外メーカーが岐阜県関市で製作しているブランド。わかりやすい派手なデザインも魅力。
【片岡製作所】TAMAHAGANE 粲 響十
:新潟のメーカーで、63層という破格のダマスカス鋼。異端児なあなたに!
【藤次郎】TOJIRO PRO ニッケルダマスカス
:ステンレス包丁の名門。リンクは牛刀のためご注意を。
【ホンマ化学】グレステン Tタイプ
:素材メーカーが生み出した最強包丁。永久保証制度で、無料研ぎ直し可。
【杉本】SHM炭素鋼
:東京築地で手作業で仕上げられる一本。有名焼肉店の店長も愛用するスギモトの最高級モデル。
高級とまでは言えませんが、長年私が使用した筋引き包丁を、詳しく評価、比較した記事も御座いますので、以下も参考にしてみて下さい。
焼肉プランナーでした。
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