こんにちは、焼肉プランナーです。
焼肉屋のメニュー欄に、小さく記載されていることがある
「※この肉は柔らかくなる加工を施しています」の文言。
こだわりの技法でやっているの?
と思う方もいるかもしれませんが、
これは主に2種類の方法を用いて、人工的にお肉を柔らかくしている証拠です。
その加工を施した場合、販売者は消費者に対しその旨を明瞭に記載しなければならないという義務があるため、わざわざ表記しているのですが、かなり小さく書いてあることがほとんどであり、何をしているかまでは、わざわざ販売者様側が教えてくれるわけではないので、消費者自身が理解しておく必要があると思います。
本記事では、その柔らか加工についての詳細と、食べる際の注意点をご説明いたします。
①成型肉とは
先ほど説明した通り、人工的に加工したお肉には2種類あります。
その代表的なものの1つが成型肉です。
生肉、脂身、横隔膜等に酵素添加物や植物タンパク等を加えるなどして人工的に結着し、形状を整えたもので、
要約すると、肉以外の物も混ぜて作った「お肉のような食べ物」です。
具体的に例を挙げると、カルビやハラミを切り落とした際の使用できない部分を集め、ミンチのような状態にしてお肉の形に戻しているということ。
お肉の仲間というよりは、ウインナーやハムの仲間で、
最近ではその技術もますます進化を遂げており、牛タンさえも作れてしまう世の中ですが、その走りとして登場したお肉が”サイコロステーキ”ですね。
お肉そのものの形に作り戻すことが困難であったからこそ、サイコロ状にすることで商品化できたわけで、決して「食べやすいようにサイコロ状に切ってくれたお肉」ではありません。
だからと言って、全てのサイコロステーキがそうではなく、本当にお肉をそのままサイコロ状に切って調理されていることもありますので、あくまでも”サイコロ”のワードではなく、
「※この肉は柔らかくなる加工を施しています 」の記載があるかどうかで判断して下さいね!
最近では、サイコロステーキでは、こういった誤解も多いことから、
「※こちらは成型肉ではありません」などの表記をすることもありますので、パッケージや商品詳細などに軽く目を通し、確認しておきましょう。
②インジェクション加工肉
お次は、インジェクションという加工。
聞きなれないカタカナだけでは想像できませんが、こちらは前者と違って、お肉自体は結着させたり成形しておらず、お肉に直接的に脂を注入する方法です。
何百本とならんだ注射針を生肉に刺して、お肉に旨味を注入します。
こちらも具体的に例を挙げると、
霜降りの少ない外国産の牛肉に、和牛の脂を注入するといった加工です。
穀物を食べて育つ和牛や食肉用アメリカ産牛に対し、グラスフェッドと呼ばれる、牧草を食べて育つオーストラリア産の牛などは、安く仕入れられる代わりに脂身が少ない点がデメリット。そういった短所を補うためにインジェクションがあるわけですね。
特にハラミ(アウトサイドスカート)は、日本人需要が高い部位でありながら、海外では人気の低い部位なので、国内チェーンなどに出回るハラミは、安く輸入したインジェクションのものが多いです。
柔らか加工肉は、繊維質も感じにくく、独特の歯ごたえや甘みもあって美味しいと感じることもありますので、好みの方にとっては安価で都合の良い商品でもありますね。
また、どのお店でも一定のクオリティですし、言ってしまえば味は一緒。
大阪でクジラ肉の焼肉屋さんに行った際、食べた瞬間わかりましたが、
わかりすぎて「本当にクジラなのか?もはや加工のハラミだ。」とも思いました。笑
真実はわかりませんが、それぐらい味が同じになるということです。
見た目でもわかるように、下に画像を貼っておきます。
上が成型肉…ネギトロみたいです。
下は正肉(しょうにく)
正直、上と比べると若干堅そうにも見えますね。笑
加工肉は食べてはいけないのか?
結論、私にその返答はできかねますが、よく焼かないことに関しては危険性の理由を伝えることができます。
牛肉は、豚や鶏に比べれば比較的安全ではありますが、空気に触れる表面は、菌の繁殖リスクが高くなります。
成型肉は、切り落としの端材などを使用するわけですから、ほとんどの部分が一度空気に触れていますので、ハンバーグやミンチを生で食べることと同じぐらいの危険性があります。よって成型肉は必ずよく焼いてください。
また、インジェクションに関しても、一度抽出された脂を再注入していますので同様です。きちんと向き合い、正しい付き合い方をして行けば大丈夫ということです。
化学調味料や食品添加物等については、個人の捉え方にお任せ致しますが、私は避けては通れないと思っておりますので、気にしすぎる生活はしておりません。
ウインナー好きなんですよね…特にシャウエッセン…
やわらか加工 まとめ
それでは、まとめです。
- 成型肉とは、他の肉から出た端材などを集めて結着させたもの
- インジェクション肉とは、和牛などの脂を注入して柔らかくしたもの
- ほんのり甘く、独特の歯ごたえがある。ただし、どちらもよく焼くこと。
ちなみに、自宅で簡単に柔らか加工できるツールとして、ミートテンダライザーという秘密兵器が存在します。
比較的安価なお肉でも柔らかくできますので、よくお肉料理をする方は試してみても良いかと思います!
12年間の専門知識を活かし、他にもお肉に関する情報を記事にしておりますので、気になる方は是非以下の人気記事もチェックしてみて下さい。
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焼肉プランナーでした!
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