お家で食べられるご馳走と言えば、すき焼きとしゃぶしゃぶ。
年末年始の食事では、特に人気な料理ですね。
しかしながら、スーパーや精肉店へお肉を購入しに行った時に、店頭に並んでいるラベルやプレートを見て、ふと「すき焼き用」と「しゃぶしゃぶ用」…。何が違うのか?
と、戸惑ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げると、厚さの違いにあります。
本記事では、すき焼き用肉としゃぶしゃぶ用のお肉の厚さがなぜ違うのか、またそれぞれのオススメの部位についても解説しています。
すき焼き用としゃぶしゃぶ用 厚さが違う理由
先にも述べましたが、すき焼き用としゃぶしゃぶ用のお肉では、お肉の厚さが違います。
いきなり余談にはなってしまいますが、そうめんとひやむぎは、1.7mmを基準に、日本農林規格ではっきりと決められていることをご存知でしょうか。
それに対して、すき焼き用肉としゃぶしゃぶ用肉は、厳密に何mmと決められているわけではなく、お肉屋さんごとのざっくりとした基準で、一般的に以下のように売り分けられています。
- すき焼き: 約1.8mm~2.5mm
- しゃぶしゃぶ:約1.5mm~2.0mm
いや、1.8~2.0mmが被っとるやないかい!と思った方には申し訳ありませんが、おそらくそれぐらいが、お肉屋さんごとの境界線です。
ではなぜ、すき焼き用の方が分厚いかと言いますと、それは作り方に由来する部分があります。
すき焼きは、本来の正しい作り方として、先に数枚の肉を焼いて旨味を引き出した後に、具材と割り下と呼ばれる、だし汁を入れて煮るのですが、1.5mmを下回ったあたりの薄いお肉は、焼く際にボロボロになってしまうため、すき焼きには向いていないのです。
対して、しゃぶしゃぶは、焼く工程がないため、お肉が鍋にひっついて破れる心配はありません。むしろ薄い方がすぐに火が通ることに加えて、柔らかくふわふわとした食感の方が好まれることから、すき焼き用よりも薄く加工されているのです。
しかし、すき焼きのレシピは多く、最後にお肉を入れて作成することもあるため、その場合であれば、すぐに火が通るしゃぶしゃぶ用の肉でも代用でき、むしろ柔らかく感じるすき焼きが作れるとも言えますね。
すき焼きとしゃぶしゃぶ おすすめの部位は?
では、すき焼き用としゃぶしゃぶ用、最適な部位はそれぞれに違うのかという疑問にも触れて行きます。
結論、基本的にはすき焼き用の方が、高級な部位となることが多いです。
なぜなら、お肉は分厚ければ分厚いほど、食べた時の食感が硬くなってしまいます。逆を言えば、厚く切ることが許されるのは、柔らかい部位でないといけないということ。
例えば、お肉の部位の中で最も柔らかく、かつ高級な部位がヒレですが、ヒレはステーキ用の商材として使われることがほとんどです。また、ヒレを薄切りにしたとしても、脂身の少ない部位であることから、肉の甘さが感じられなかったりと、ヒレの良さを引き出せないことにも繋がります。
つまり、すき焼きには、火が通る薄さでかつ、しゃぶしゃぶより厚く切っても柔らかさに問題のない部位を使わなければいけないのです。
では、具体的にどの部位なのか。
まず、すき焼きにもしゃぶしゃぶにも使える、ちょうど中間の部位が「肩ロース」です。
肩ロースは、牛肉の部位の中でも最も大きい塊であり、断面を広く取れるため、スライス後の見た目が派手に見える特徴を持ち、かつ赤身と脂身のバランスが良いです。
また、これはお店側の都合にはなりますが、焼肉として出す厚さにスライスした場合、肩ロースはやや硬めの歯ごたえになってしまうため、すき焼き用、及びしゃぶしゃぶ用の薄さにした場合にこそ食べやすくなるとも言えます。
では、しゃぶしゃぶには使わず、主にすき焼きに最適となる部位とは?
それが、肩ロースのワンランク上にあたる「リブロースとサーロイン」です。
こちらは言わずと知れた高級部位ですが、肩ロースとリブロースとサーロインは一直線で繋がっており、サーロインに近づくに連れて旨味が増し、ジューシーなすき焼きを味わうことが出来ます。
しゃぶしゃぶ用としては、肉質が柔らかすぎ、かつ脂の甘みが強くなるので向いておりませんが、焼肉でもステーキでも需要がある部位なので、肩ロースと比べると倍近く値段が上がりますね。
対して、しゃぶしゃぶ用として最適なのが「ブリスケット」。
あまり聞きなじみのない部位かもしれませんが、すき焼きの厚さにするとやや硬い食感になってしまうため、しゃぶしゃぶ用の薄さでちょうど美味しく食べられる部位です。
しかし、高級な部位ではないため、どちらかというとお店側の都合で最適とも言い換えられますし、しゃぶしゃぶだからこそ、あっさり食べたいという方には、やや脂身の多さが気になるところ。
なので、個人的好みとして提案させて頂きたいのは「モモ」です。
モモは、細分化して切り分けなければ非常に大きい部位になりますが、肩ロースやブリスケットと比較して脂肪分が少なく、ほとんどの部分を赤身が占め、かつモチモチとした食感に仕上がるのが特徴です。
そのため、しゃぶしゃぶ用としても、ややあっさりめのすき焼きが好みの方にも人気があり、たくさんお肉を食べたいという方には向いていると言えます。
また、モモの中でも「ランイチ」と呼ばれる、ランプやイチボという部位は、近年の赤身ブームで高騰が続いている高価な部位です。ワンランク上の、しゃぶしゃぶ、すき焼きを味わってみたい方には、こちらもオススメですね!
部位ごとに簡単にまとめますと、
- 肩ロース=すき焼き、しゃぶしゃぶ、どちらでもバランスが良い。
- リブロース=すき焼きに最適。
- サーロイン=すき焼きに最適、高級。
- モモ=しゃぶしゃぶに最適、あっさりめのすき焼きでも可。
- ブリスケット=しゃぶしゃぶに向く。すき焼きはやや硬め。
ちなみに、ザブトンと呼ばれる肉は、肩ロースの良い部分だけを切り取った部位。
ザブトン単体で買えるのであれば、すき焼き、しゃぶしゃぶどちらでも非常にオススメです!
すき焼き用としゃぶしゃぶ用の違い まとめ
【すき焼き用】
- 1.8mm~2.5mm
- しゃぶしゃぶ用より厚く切っても、美味しく食べられる部位が選定される
- 肩ロース、リブロース、サーロインが定番
【しゃぶしゃぶ用】
- 1.5mm~2.0mm
- すぐに火が通る薄さである必要がある。
- 肩ロース、ブリスケット、モモがおすすめ!
以上です。
今回は焼肉ではありませんでしたが、みなさんのお肉ライフがより良いものになれば幸いです!
焼肉プランナーでした♪
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