こんにちは!焼肉プランナーです。
焼肉屋で必ずあるお肉のメニューと言えば、カルビとロース。
簡単に言えば、カルビはお腹のお肉、ロースは背中のお肉。という説明になりますが、
カルビにもいろいろあって、ロースにもいろいろあって、なんならどっちとも言える部位もあって、
もっと言うと、カルビという部位は存在しなかったりと、この議題は焼肉屋の沼と言えるほど複雑です。
本記事では、その難解なカルビとロース問題について徹底的に解説しておりますので、最後まで読めば、あなたは一握りの焼肉マスターになれること間違いなしです!
カルビとは 部位の名前ではない
まず最初に、驚く方もいるかもしれませんが、カルビという部位は存在しません。
牛肉は細かく分割すると、ホルモンを除いても50種類以上の部位がありますが、その中に「カルビ」という名前の部位はないということ。
なぜなら「カルビ」というのは、ただの商品名であり、ショートプレートやショートリブ、三角バラやササバラなど、あらゆる部位の肉がカルビとして使われているから。(カルビの種類は多すぎるので後ほど解説)
例えて言うと、「お茶」と同じです。
お茶というメニュー注文するのに、それほど抵抗はないと思いますが、「ウーロン茶」が届くのか「緑茶」が届くのか、はたまた「ほうじ茶」が届くのかわかりませんよね。
それと同じで、カルビを注文しても、どの部位を使用しているのか明確に記載されていない以上、そのお店のこだわりや、仕入れ状況次第で、何の部位が使われるかはわからないのです。
対して、「ロース」は、肩ロースやリブロースといった、ロースという名前の付く部位はあるため、カルビよりも、ある程度は絞られています。
しかし、それらも分解すると、肩ロースからは肩ロース芯とザブトン、リブロースからはリブキャップとリブ芯、リブマキ、エンピツなど細分化することが出来、更には、直接的にロースという名前の付かない、モモやサーロイン、ヒレ系なども背中側の肉に分類され、ロースとして定義することも自然であるため、こちらもカルビと同様に曖昧な商品名です。
ひと口にカルビ、ロースと言えども多くの種類があるため、それぞれの部位によって全く味わいが違い、どの部位を商品として使うかはお店の自由。
しかし、これは決して悪いことではなく、お店の個性を出せるポイントとも言えます。
注文数はタンに次ぐ人気メニューでもありますので、初めて行った焼肉屋さんでは、カルビとロースは必ず注文して頂きたいと思っています。
部位の名前がわかっても、一体どこの部分なの?どんな味の特徴があるの?
という方は、焼肉プランナーの部位表を参考にして頂くと、味の特徴などもわかります。
カルビに使われる部位
では、いったいどんな部位がカルビとして使われているのでしょうか。
完全にお店の自由とは言え、一般的には肋骨周りのバラ肉をカルビとして扱うことが多いです。
ロースも同様に商品名と言いましたが、ある程度お店が意識していることは、
- カルビは:脂のこってり乗っている、アバラ及び、お腹周辺のお肉。
- ロースは:赤身が多め、またはあっさりめのサシが入った、背中及び、モモ周辺のお肉。
と分けられています。
特にカルビは、一般的にコレが多いです…というのも難しいほど、お店によって違いますが、
①肩バラ(マエバラ)、②ナカバラ、③ソトバラ
から使われることが多いです。
また、それぞれのバラもさらに細分化されますが、カルビとして美味しく、脂の甘みがあり柔らかい部位はある程度絞られます。
➀肩バラに含まれる「三角バラ(チャックリブ)」は、カルビの王道中の王道。
サシが入りやすく、和牛であれば、白寄りのピンクになるまで、派手な見た目になります。
また、ブリスケ、カタバラハラミ(決してハラミではない)なども、肩バラから取れる部位です。
②ナカバラには、三角バラに似たような「ヘッドバラ(ボンレスショートリブ)」という部位があり、こちらは米国産であっても、見た目がピンク色で美しいため、並カルビとして出てくることはほとんどありません。
また、ナカバラにはもう一つ、肉を語る上で外せない部位があり、それが「カイノミ」です。
見た目は赤く、脂がしつこくない、柔らかくて肉の味が濃いカルビになります。あまり聞きなじみもない部位かもしれませんが、お肉好きの方なら絶対に知っている圧倒的人気のカルビ材ですね。
③ソトバラには、「ササバラ(フランク)」という部位があり、こちらも赤身でありながらも、柔らかくてあっさりしたカルビ。個人的には、このササバラが一番好きですが、輸入牛になると特段硬くなってしまうので、和牛を扱うお店でないと美味しいササバラは食べられませんね。
また、インサイドスカートとも呼ばれるウチハラミ(決してハラミではない←2回目)も、このソトバラから取れる部位です。
これらの部位を、日ごとに分けて使う店もあれば、ある程度他の部位の肉とミックスしてカルビとして売るお店もあったりと、カルビにはかなりお店の個性が出るため、焼肉屋に行った際は、やはり「カルビ」を頼んで頂き、日々の変化や自分の好みを見つけるのもオススメの楽しみ方ですよ。
ロースに使われる部位
対して、ロースは背中周辺の
➀肩ロース、②リブロース、③ロイン(サーロイン)のことを指します。
ですが、④モモもロースとして使われる主要な部位です。
一般的には、カルビよりも赤身の認識があるかもしれませんが、
➀肩ロースの最高部位である「ザブトン(チャックフラップ)」
②リブロースの真ん中にあたる「リブ芯(リブアイ)」や、リブロースの更に後方
③サーロインは、上質なカルビに匹敵するほど脂がキメ細かく乗っているため、必ずしもカルビよりも赤身なわけではありません。
特にリブロースは、焼肉屋にとって、非常に振り回しの良い部位(分解しても、ハズレにならない部位ばかり)であり、リブロースの上側リブキャップや、外側のリブマキ(三日月)は、上カルビとして使われることもあるくらいです。
しかし、リブロースやサーロインは、すき焼きやステーキにも需要が高く、非常に高価な部位のため、並ロースとして出てくることはほとんどありませんね。
必然的に、並ロースは上記の高級部位以外を使用することで、霜降りではなく赤身寄りなお肉が利用されることになり、一般的にロースは赤身と言われているのです。
簡単に言うと、並ロースはカルビより赤身。上ロースは、カルビに匹敵する霜降り。
「じゃあ、カルビでいいじゃん!」と思うかもしれませんが、カルビは先にも述べたように、何を使用するかで大幅に質が変わるため、リブロースかサーロインを使用する上ロースは、品質が安定している特徴があります
ちなみに、カルビとロースに並ぶ定番商品「ハラミ」は、
横隔膜単体のことを指し、それ以外に使える部位がないため、曖昧な部位ではありません。
ただし、ハラミと繋がる希少部位のサガリは、ハラミの一部と言えば一部。(サガリの方が高級)
また、肩バラと外バラに含まれる、カタバラハラミとウチハラミは、ハラミと似た食感であるだけなので、ハラミと言う名前が付きますが、本来の横隔膜であるハラミではありません。
さすがにそれらをハラミとして売るお店は少ないと思いますが、昔は結構あったみたいです。
注意して下さいね…と言うべきかもしれませんが、カタバラハラミもウチハラミも、希少でかつ美味しい部位であるため、個人的には良いっちゃ良いです。笑
希少部位については、以下にて図解付きで解説しております。
カルビとロースの違い まとめ
それでは、まとめです!
- カルビ、ロースは部位名ではなく商品名。
- カルビは脂の乗ったアバラ及び、お腹周辺のお肉。肩バラ、中バラ、外バラなど。
- ロースは背中のお肉。一般的には赤身であり、リブロースやサーロインといった上物は霜降り。
以上です。
最後まで読んで頂き、有難う御座います。焼肉プランナーでした!
コメント