次世代焼肉と評される「水晶プレート」をご存知でしょうか。
石英を原料にした高耐熱プレートで、遠赤外線効果により肉をふっくらジューシーに焼き上げつつ、煙や臭いを抑えられるのが最大の特徴。
サムギョプサルなどの焼肉業態や、渋谷の新店を中心とした業態で導入が進み、「鉄板や炭火とは異なる、新しい肉の楽しみ方」として注目を集めています。
そこで本記事では、元焼肉屋店長の私が「水晶焼き」のメリット・デメリットなどをまとめ、他の焼肉プレートとの違いなどを比較し、巷の噂について徹底解説しております。
こんなあなたに役立つ記事です!
- 水晶焼き、水晶プレートの概要を知りたい
- 本当に美味しく焼けるのか疑っている
- 他の焼肉とどう違うのか特徴を知りたい
是非、最後までご覧ください。
水晶プレートとは
水晶プレートとは、石英を原料にした無色透明の美しいプレートです。
数年前頃から韓国のSNSを中心に注目を集め、サムギョプサルなどを焼くのが定番ではありましたが、近年では渋谷を中心とした都市部で、水晶プレート専用グリルを導入したカジュアル業態も登場しています。
予算はおおよそ1人5,000円前後ですが、見た目にも高級感があるため、みなさん一度は食べてみたいと興味を持った方も多いと思います。
しかし、本当に気になるのは、果たして美味しいのかどうかですよね。
結局、見た目だけなんでしょ?という偏見もあるかとは思いますが、きちんと美味しく焼ける理由があることも事実。
水晶プレートは、
- 豚バラの脂を落としすぎない
- 水分を飛ばしすぎず肉の甘みを保持する
- 表面だけが急激に焦げない
といった特性があるため、外はカリッと香ばしく、中はしっとりジューシーといった、理想的なサムギョプサルに仕上がるのです。
さらには、煙が少ないことも特徴で、匂いを気にせず、快適な環境で脂の多い豚肉を楽しめる点も、水晶焼きが支持される大きな理由です。
それはなぜなのか、それは水晶の特性について知ると納得できますので、事項にて解説して行きます。
肉が美味しく焼ける秘密 水晶(石英)の特徴
石英は高い硬度を持ち、傷がつきにくく、急激な温度変化にも比較的強い素材として知られています。
見た目がガラスに似ていることから、熱を与えるとすぐに割れそうな気もしてしまいますが、耐熱性の高さがガラスの約1.8倍あることに加え、熱膨張率(熱を与えた時の変形しやすさ)も低く、
- 耐熱性が強い
- 熱伝導率が低い(一度熱くなったら冷めにくい)
- 遠赤外線効果が高い
といった観点から、水晶プレートで焼いた肉は、表面だけが急激に焼かれず、じんわりと内部まで熱が伝わるのが大きな特徴です。
そのため、外側はうっすら香ばしく、中は脂が溶け出しにくくジューシーという、鉄板焼き等とは異なる独特の焼き上がりになります。
豚バラ肉を使うサムギョプサルなどの、脂が多いお肉を焼いた際には、脂が肉から溶け出しづらいため、もっちりジューシーに焼き上げることができるのですね。
また、煙の出方や扱い方にも特徴があります。
水晶プレートは、穴が空いていない構造上、脂が火に直接当たらないため、煙が出にくい点もメリットと言えるでしょう。
しかしながら、デメリットもあります。
一つは高価な点。1枚30,000円は、他のプレートと比べても圧倒的にコストが高いです。
もう一つが、メリットになる部分として先に述べましたが、脂が落ちない構造であることです。
プレート自体に傾斜がついており、片側から油を流し落としますが、受け皿が必要であることはもちろん、油もある程度は表面上に滞留してしまいます。
繰り返し何枚もお肉を焼くような低単価業態では、肉の脂にどんどんと熱が入り、後半はあらゆるお肉がギトっとした状態になるため、たくさん焼肉を食べたい方にはオススメ出来ませんね。
次に、他の材質や焼き台との違いを見て行きましょう。
他の焼き台(焼肉プレート・溶岩プレート・炭火)との違い
水晶プレートは、他の焼き台と比べると性格がまったく異なる調理器具です。
焼肉プレートとの違い
焼肉プレートは、鉄やアルミの合金で出来ているため、熱伝導率が高く、周りをこんがりと焼き上げることが得意です。
そのため、外と中の火の通り方にギャップをつけることができるため、周りをカリッと焼いて、中をレアに仕上げるステーキなどには、これ以上の選択肢はないです。
また、繰り返し焼くことが前提の焼肉では、穴が空いている構造にメリットがあり、脂を落とし続けることで肉のくどさを軽減できるため、焼肉プレートが全体的なバランスでは優れています。
溶岩プレートとの違い
溶岩プレートは、遠赤外線効果が水晶より若干高いです。
また、穴あきの焼肉プレートほどの効果はありませんが、若干油分を落とす効果もあるため、水晶プレートと同じようなふんわり加減を保ちつつも、若干ヘルシーに焼き上がるのが特徴です。
手入れは最も手間がかかり、しっかりと乾燥させないと長持ちしないというデメリットがありますね。
炭火網焼きとの違い
炭火焼きは、直焼きでないことが最大の特徴。
水晶や溶岩と似たような値の遠赤外線を放射しますが、直接炭の温度が触れるわけではないため、より均一に火入れすることが出来ます。
油分を落としつつ、ふんわり、そして香り高く仕上げることができるため、焼肉のクオリティで言えば最も高いと言えますが、準備や片付け、煙の多さなどは、他を圧倒してデメリットが目立ちます。
高価だが新しい「肉のトレンド」
水晶プレートは1枚あたりが高価で、輸送・設置・割れ対策・温度管理などの観点からも、簡単に導入できる設備ではありません。
そのため現状では、
- 高級焼肉店
- 和牛専門店
- コンセプト性の強いグリル業態
など、付加価値をしっかり取れる店舗を中心に導入されています。
しかし実際に導入した店舗からは、
- 「肉が想像以上にやわらかく仕上がる」
- 「煙が出ず、客層が広がった」
- 「写真映えする」
といった評価も多く、
水晶焼きは“鉄板の次”を担う新たな焼肉トレンドとして、今後さらに拡大していく可能性が高いといえるでしょう。
水晶焼き まとめ
それでは、まとめです!
- 水晶プレートは、遠赤外線効果により外は香ばしく、中はジューシーに焼き上げられる次世代焼肉スタイル
- 煙や匂いが少なく, 快適な環境で脂の多い肉を楽しめるのが大きな魅力
- 高価で脂が落ちにくいなどのデメリットもあるため、業態選びが重要
- 鉄板・溶岩・炭火とは異なるラグジュアリー感を演出し、今後のトレンド入りが期待される存在
以上です。
水晶焼きは、ただの話題先行の焼き方ではなく、きちんと理論に裏付けされた美味しさを持つ新しい焼肉の形です。
気になった方は、ぜひ一度実際に体験してみてください。





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