牛肉を保存するコツ 基本知識と冷蔵・冷凍保存の違い

お肉の知識

こんにちは、お肉に携わって12年、焼肉プランナーです。

豚肉や鶏肉と比べ、牛肉は変色が激しく、取り扱いが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし実は、豚肉や鶏肉よりも、長期保存が出来るのは牛肉。

結論、冷凍でも冷蔵でも共通することは、水分をしっかりとふき取ることで、その後の工程に違いがあります。

詳しく解説していきますので、コツやポイントを抑え、正しくお肉を保存して行きましょう!

こんなあなたに役立つ記事です。

  • 牛肉をたくさん買ったため、冷凍保存したい
  • 余ってしまったお肉を、冷蔵か冷凍で迷う
  • お店で使う食材であるため、色味を重視して保存したい

皆様の悩みを解決できると幸いです。

なぜ牛肉は変色が激しいのか

牛肉が変色する原因は、ミオグロビンの酸化です。

もちろん、豚肉や鶏肉も同様に酸化はしますが、赤い色素の素となるミオグロビンが多く含まれる牛肉は、最も変色が激しいです。

ミオグロビンそのものは、紫にも近いような暗めの赤い色をしており、その状態が最も新鮮で、空気に触れてから、常温下5分前後で最も鮮やかな赤色(オキシミオグロビン)に変化します。

下記の写真は、酸化し始めの、鮮やかな赤色になる前の状態です。この、やや紫がかった状態が新鮮。

その後、鮮やかな赤色のオキシミオグロビンが、茶褐色のメトミオグロビンに変化するまでの期間が、温度や酸素濃度によっても大きく差が出るため、この変化の間で保存を行うことが見た目における重要なポイント。

また、見た目だけでなく、食材そのものの質を悪くするのは、酸素よりも水分が大きく影響します。

肉から溢れ出るドリップ(水とミオグロビンが混ざったもの)は、肉の内部に収まっているうちは旨味成分となりますが、外に出たドリップは酸素と結合し、菌も活発になってくるため、ドリップに触れている肉の外側から、味も質も急速に悪くなっていくのです。

ドリップの成分の一つであるミオグロビンは、牛肉が最も含有量が多いため、牛肉は自分のドリップで、自分を悪くしてしまう傾向が強いお肉と言えます。

そのため、周りのドリップを拭き取っていないと、豚よりも鶏よりも悪くなるのが早く、

逆にドリップを拭き取っていれれば、豚や鶏よりも、元々の雑菌が少ない牛肉は長持ちしてくれるのです。

このドリップ(水分)が劣化の原因となることを踏まえた上で、次項をお読み頂けるとより理解しやすいと思います。

部位や産地によっての劣化の違い

上記で解説した通り、変色の原因は肉自体に含まれるミオグロビンの酸化にあり、水分と一緒になって溢れ出たミオグロビンが、肉の劣化を進めるため、自ずとミオグロビン含有量が多い肉は、発色も早く劣化も早いと言えます。

そのため、同じ牛肉でも、脂の少ないヒレやモモなどの赤身肉よりも、水分量の代わりに脂の量が多い霜降り肉(サーロインやカルビ材など)の方が長持ちします。

また、これは牛肉の産地でも同じことが言え、

霜降りの少ない輸入牛よりも、国産牛や更に美しいサシの入った黒毛和牛は、更に長持ちします。

つまり、変色や劣化を遅らせたいのであれば、赤い肉よりもピンクの肉を選ぶ方が良く、全てを食べきることが出来ないと思うのであれば、赤身肉を先に食べて、霜降りを保存に回した方が良いということ。

決して赤身肉が保存が出来ないわけではありませんが、水分量が多くドリップも溢れやすいため、出来るだけ水分の溶けにくい低温であることをより意識し、周りの水分を拭き取ってから保存に回せば大丈夫です。

冷凍の場合は、水分が再度溢れ出るタイミングでもある解凍時の手順も重要であるため、以下に具体的な保存と解凍を述べて行きます。

牛肉の具体的な保存方法

牛肉は自らが出した水分が劣化を進めるため、周りの水分を、保存前にキッチンペーパーなどで拭き取る工程は必須です。

その後は、冷凍と冷蔵でラッピング方法が変わります。

冷凍から解説しますが、文章では理解が追い付かなくなるかもしれないため、最初に手順だけ記載します。

①水分を拭き取る
②肉同士が重ならないよう、肉を置いてラップを折り返す。を繰り返す
③全体をラップ
④金属の物(バットなど)の上で冷凍
⑤翌日、金属を取り外し、紙や布製の物で包んで保管
(パーシャル庫でも同手順だが、やや長期保存弱まる)

まず、水分をしっかりとふき取った後は、空気が入らないよう密閉してラップをします。

肉がカットされていたり、スライスされている場合は、1枚1枚肉同士を重ねないようにラップをしますが、1枚につき1ラップでは勿体ないので、長めにラップを取り、端に肉を置いて折り返す。を繰り返します。要するに、ハリセン状のラップの間に肉を挟むイメージですね。

積み重なったら、最後に周りをラップして冷凍すれば、空気を遮断でき、解凍時も楽にバラすことが出来ます。

冷凍しきるまでの間、微量にまだ水分が出てしまいますので、熱伝導率の良い金属のバットなどを敷き、より冷凍までの速度を早くします。

この時に注意しなければならないのが、冷凍庫の霜取り機能。(業務用であれば温度計のところにDFと表示される=デフロスト)

これは、冷凍をしていても途中で庫内の霜取りをするために、一時的に温度が高くなる機能であり、こによって金属バットに入れていた肉は、逆に高温にもなりやすくなります。

そのため、冷凍するまでは金属バットで、冷凍しきったら紙箱や布製ものなどで周りを包みます。

よく夏場は、学校にペットボトルに凍らせたお茶(悪い子はポカリ…)を持って行きましたが、タオルなどでくるんでいると、ずっと凍ってましたよね?

でも凍らせる時は、タオルは巻きません。わざわざ金属バットで凍らせたりしませんでしたが、あれと似たようなことですね。

次に冷蔵ですが、こちらも先に手順だけ箇条書きにします。

①水分を拭き取る
②肉同士が重ならないようキッチンペーパーで包む。
③全体をラップ
④温度の低くなりやすい下段付近に保管
(チルド庫が理想、パーシャル庫はペーパーが肉にひっつくためNG)

冷蔵の場合は、水分を拭き取る工程は同じですが、どうやっても多少のドリップ流出は免れないため、肉を直にラップすると、いくら酸素を遮断しても劣化が早くなってしまいます。

そのため、キッチンペーパーを巻いてからラップをします。

しかし、冷蔵の最も難しい所は、キッチンペーパーの吸水具合です。吸水した方が劣化は抑えられますが、あまりに吸い過ぎると肉がパサつく原因にもなるため、基本的には1枚。

すぐにビショビショになってしまうような薄手のキッチンペーパーであれば2枚にしておきましょう。

この方法であれば、冷凍なら扉の開閉頻度にもよりますが、1ヶ月~3ヶ月。

冷蔵なら3日前後、チルド温度帯なら1日延びる程度は保存が効きます。

また、冷凍の解凍時に関しては、急激な温度変化では水分が一気に溢れ出てパサつく原因になりますので、1日前からゆっくりと冷蔵庫やチルド庫で解凍すれば、モチモチした食感を残すことが出来ます。

ここまでの保存方法が面倒に感じる方や、売り物として肉を扱う方は、もっと簡単に保存が効いて、効率の良い以下を参考にしてみてください。

最も保存が効く真空パック方法

これまで紹介した手順は、出来る限りのことを行っているため、全てを実施するにはやはり手間がかかってしまいます。

そこで、手間を削減したかったり、肉以外の保存の効率化も望む主婦の方や、業務用として店舗内での保存に使う方へ最もオススメできるのは真空パック器です。

特に冷蔵においては、私の解説した方法では、どうしても空気に触れてしまうことだけでなく、キッチンペーパーによるドリップの吸水を止められていないのですが、真空出来れば空気に触れないことに加え、肉の全面から圧縮することで、ドリップの流出先が無くなるメリットがあります。

これによって、キッチンペーパーも不要、バラバラに並べる必要もなく、さらに冷凍での繊維破壊も防げるため、肉質のモチモチ感を保ったまま簡単に、約1週間ほど保存が可能になります。

いくら酸素を遮断しても、冷蔵温度では活動できる細菌がいるため劣化は進みますが、細菌が活動出来ない冷凍であれば、半年~1年まで延長する例もあります。

そして、真空パック器を検討する上で、最も悩むポイントになるのが、価格の幅が大きすぎてどれを選べばいいかわからない方が多いため、私のオススメはコチラ。

通販の売り物として加工するような、言ったらガチの業務用は70万円以上してしまいますが、私が店舗で使用しているフードシールドの真空パック器は、15,000円~20,000円と、業務用として導入されているレベルにしては非常に安価な水準。

主婦の方にとっては、お肉の保存を長くすることよりも、調理済みの食材をタッパーに入れる必要がなくなり、冷蔵庫のスペース改善というメリットの方が大きかったりします。

個人的には、専用袋が要らない製品のため、あらゆる真空袋に対応していて扱いやすい点が良いですね。

デメリットとしては、真空を始める瞬間に、少しだけ手動で袋の位置調整が必要なこと。ちょっと袋に突っ込んでいるノズルの吸気口を確保してあげると、より真空度が増しますので、使ってみて慣れて頂ければと思います。

最後に一応、真空器無しで、出来る限り真空に近付ける方法も説明します。

そんなん出来るの?!と思うかもしれませんが、水圧で空気を抜いてパッキングする方法です。

まず、お肉をシワの付きにくい丈夫めのビニール袋に入れます。

それと別で、ボウルやバケツなどの大きくて深い入れ物に、出来るだけ多くの水を入れます。(深い方が水圧が強くなります)

肉の入ったビニール袋の口を上にして、肉側から水につけると空気が抜けるため、そのまま出来る限り肉に近い位置で口を結んでパッキング完了。

チャック付きのジップロックなどがあれば、その方がより簡単です。

しかしながら、家庭でできる水の深さには限界があり、仮に風呂場でやろうと考えたとしても、袋の口まで水に浸かってしまいますので、十分な水圧の中で空気を抜くことは実現し難く、真空器と比べるとかなり差はあります。

ちなみに水の中に塩を入れると、さらに水圧は強くなりますが、もったいないのでやらなくていいです。笑

牛肉の保存方法 まとめ

それでは、まとめです。

牛肉を長く保存する基本
・溢れ出ている水分をしっかりと拭き取る
・肉同士を重ねないこと
・霜降り肉より赤身肉の方が劣化が早いことを理解する

【冷凍】
・肉に直接ラップ
・熱伝導率の高い容器で冷凍庫に入れ、凍ったら熱伝導率を悪い容器に移す

【冷蔵】
・肉をキッチンペーパーで包んでラップ
・冷蔵庫の温度の低い下段で保管

真空パック器を検討出来る方は、以下がオススメ!

以上です。最後までお読みいただき、有難う御座いました。焼肉プランナーでした!

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プロフィール
焼肉プランナー

焼肉屋 店長歴12年のブロガー。
仕事と趣味で回った100店舗以上の焼肉屋での経験、体験を元に、
みなさんがより焼肉を楽しめるよう、情報発信しています。
【資格】
ワープロ検定2級/情報処理検定3級/
ファイナンシャルプランナー3級/
防火管理者/食品衛生責任者/

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