お肉に携わり13年、元焼肉屋店長の焼肉プランナーです。
あなたは「希少部位」と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか?
- 高級で美味しそう
- ほとんど食べたことがない
- 希少部位と聞くと頼んでみたい
ヒレやシャトーブリアンなどは、まさに希少部位の代表ですが、
牛肉の希少部位は50種類以上にも及び、正直な所、売り手側にとっては、「期間限定」「数量限定」に並ぶ、利用しやすいキャッチコピーでもあり、単純に「希少部位」というだけで注文してしまうと、損をしてしまう可能性もあるため注意が必要です。
本記事では、希少部位の定義や種類、本当にオススメできる希少部位などを徹底解説。
記事内にて、希少さが一目でわかる図も公開!
希少部位の定義
牛肉における希少部位の条件とは、肉屋や卸業者によっても様々で、厳格な定義は決められておりません。
しかしながら、一般的に希少部位とは、一頭から取れる量が2~3kg以下の部位を指すことが多く、割合で言うのであれば、一頭の0.5%~1%程度になります。
単純に取れる量が少ないというだけの話であって、決して全てが美味しいわけではなく、全てが高価なわけでもないということ。
ただ取れる量が少なくて、美味しくないのであれば、需要も少なく希少部位であっても安価。逆に、取れる量が多いにも関わらず、美味しいのであれば、高価になることもあります。
例として、サーロインは大きいお肉(希少部位ではない)ですが、焼肉でもステーキでも、すき焼きでも美味しく、数ある部位の中でもトップクラスの高級部位です。
つまり
・希少部位≠美味しい
・希少部位≠高級
ということを、まずは覚えておきましょう!
希少部位の種類 50種類以上もある
希少部位の有名どころで例をあげると、ヒレ、イチボ、ミスジなどと言ったところでしょうか。
このあたりは知名度も高くて、希少な部位ですが、その他にも多くの部位があり、更に言うと、ほとんどの部位が希少部位と言っても過言ではないのです。
例えば、「カルビ」と聞いて、希少部位だと思う方はほとんどいないと思いますが、カルビに使用されるバラ肉(アバラ周辺の肉)には、マエバラ、ナカバラ、ソトバラがあります。いずれも10kg以上の大きな塊肉であり、無論、希少部位ではありません。
しかし、ナカバラで例を挙げると、
ナカバラの中でも、スジや脂を境目に切り分けて行くと、ショートリブ、ヘッドバラ、ゲタ(リブフィンガー)、カイノミの4種類に分けることが出来、その場合は、それぞれ3kg以下ほどになり、希少部位の条件を満たします。
つまり、カルビ(バラ)は希少部位の集合体であると言え、先に述べたマエバラ、ソトバラにおいても、切り分けるとほとんどが希少部位となります。
そんなんズルいやん!と思いますよね。
しかし、切り分けすぎることにもデメリットはあります。
部位をバラバラにすればするほど、スジや脂を捨てる必要があり、販売量が減ってしまい、ロスが出るのです。
こちらで例を挙げるとすれば、リブロース。
リブロース自体は、希少部位というには若干サイズが大きいですが、細分化すると、リブカブリ、リブ巻き、リブ芯、エンピツという4つの希少部位に分けられます。
和牛であれば全てが、溶けるほどに柔らかいのですが、輸入牛のリブカブリは、やや弾力が強い傾向にあり、他3部位は変わらず柔らかさを保っていることがほとんど。
であれば、あえて切り分けずに1枚のリブロースとしてまとめることで、リブカブリの硬さを、他の3部位が相殺してくれるため、希少部位になる前の状態で提供した方が、お肉屋さんとしてもロスを抑えられるのです。お客様としても、単品で買うよりもお買い得。
つまり、希少部位にしようと思えばほとんど出来るが、物によっては、あえて細分化せず、優良な部位にくっつけて売る。というのを使い分けているのですね。
では、希少さと美味しさと価格は、どのように判断したらいいのか…次項にて解説しています。
希少部位表 一番珍しいのは?
上記の資料は、希少部位の珍しさと人気度を、xy軸形式で作成したものです。
よって、右上に行くに連れて、高級度が増すということ。
シャトーブリアンが最高級なのは予想通りであると思いますが、それよりも珍しいエンピツや、ネクタイあたりが、みなさんは気になりますよね!
しかし個人的には、
柔らかくても、上質な繊維質の食感、肉の旨味を感じられる「ウチハラミ(インサイドスカート)」
カルビの甘さを含みつつ、さっぱりとした味わいである「カイノミ」「ササバラ(フランク)」
赤身であり、やわらかくもある「マルカワ」「ランプ」 ※レア~ミディアム厳守!
がオススメです!
手ごろな価格で見かけた際には、頼んでみるのもオススメですね。
実際のところは、時代や時期によって変動はあるため、あくまで参考程度の資料としてご覧頂ければと思います。
では、希少部位を堪能したいという方にオススメの方法を以下にて紹介して行きます。
オススメ!希少部位10~20種を堪能する方法
焼肉屋さんで希少部位を頼むとなると、部位の種類が少ないことや、「〇〇カルビ」などの表記で、そもそも部位を特定出来なかったり、1皿1,000円以上で量も多いため、多くの希少部位を楽しむことは困難です。
行く店を渡り歩くことも可能かもしれませんが、お店によって取り扱う牛が全然違ったりもして、本来の部位ごとの違いを感じることも出来ませんからね。
そこで、最もお買い得に楽しめるオススメ方法こそ通販です。
通販は、届く物がわからなくて不安と感じると思いますが、牛肉は他の食材と違って、
- 牛肉トレーサビリティ:屠畜された牛の詳細な情報を、消費者が閲覧できる(販売する者の義務)
- 格付けシステム:A5ランクなど、どのくらいの肉質か基準がわかる
などの、消費者への環境整備が整っています。
また、黒毛和牛を一頭買いをしているようなお店であれば、それをロスなく売って行くために、他の牛の仕入れはしないことがほとんどであるため(タン・ハラミ・ホルモンは業者が違うため例外)、全ての希少部位は同じ黒毛和牛で統一される傾向が強いです。
そういった観点で、黒毛和牛+B4以上+販売実績がある(レビューや評価が多い)を加味すれば、良いお肉を焼肉屋よりも安く手に入れることが出来ますので、大手通販サイトで「希少部位」などで検索してみるのがオススメです。
上記の写真は、私が友人とのBBQ用に購入した商品ですが、
A:ザブトン、ヒレ、特上カルビ、シンシン、イチボ、サーロイン
B:カイノミ、上カルビ、クリ、ササミ、肩ロース、ランプ、トモサンカク
C:ウチモモ、カメノコ、ナカニク、ブリスケ、ゲタ、シキンボウ
Aから3種、BとCから各4種類、計10種類を選べるという、黒毛和牛の希少部位堪能セット。
コチラもその写真です。
今回は、検証の意図もあり、好きな部位と、食べたことのない部位をバランスよく頼みましたが、個人的に本気の選抜をするのであれば、
ザブトン、ヒレ、シンシン、サーロイン、カイノミ、ササミ、ランプ、トモサンカク、ウチモモ、カメノコ、ナカニク、ゲタの10種になると思います!
家焼肉でもBBQでも、みんなの記憶に残る「希少部位コース」になること間違いなしです。
希少部位とは まとめ
それでは、まとめです。
- 希少部位とは、牛一頭から取れる量が2~3kg以下の部位
- 大きな部位であるバラ肉も、希少部位の集合体である
- 希少かつ美味しい部位こそ、本当の高級部位になる
以上です。焼肉プランナーでした!
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